・芭蕉全発句・ 秋

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旅に病んで 夢は枯野を かけめぐる 

ケータイ芭蕉全発句 

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   秋の部

青くてもあるべきものを唐辛子

あかあかと日はつれなくも秋の風

秋風に折れて悲しき桑の杖

秋風の吹けども青し栗の毬

秋風の遣戸の口やとがり声

秋風や桐に動きて蔦の霜

秋風や薮も畠も不破の関

秋来にけり耳を訪ねて枕の風

秋来ぬと妻恋ふ星や鹿の革

秋涼し手ごとにむけや瓜茄子

秋近き心の寄るや四畳半

秋十年却って江戸を指す故郷

秋に添うて行かばや末は小松川

秋の色糠味噌壷もなかりけり

秋の風伊勢の墓原なほ凄し

秋の夜を打ち崩したる咄かな

秋深き隣は何をする人ぞ

秋もはやはらつく雨に月の形

秋を経て蝶もなめるや菊の露

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明け行くや二十七夜も三日の月

朝顔は下手の書くさへあはれなり

蕣や是も又我が友ならず

朝顔や昼は錠おろす門の垣

朝茶飲む僧静かなり菊の花

あさむつや月見の旅の明け離れ

朝な朝な手習ひすすむきりぎりす

明日の月雨占なはん比那が嶽

あの雲は稲妻を待つたより哉

あの中に蒔絵書きたし宿の月

海士の屋は小海老にまじるいとど哉

雨の日や世間の秋を堺町

荒海や佐渡によこたふ天河

粟稗にとぼしくもあらず草の庵

家はみな杖に白髪の墓参り

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いざよひのいづれか今朝に残る菊

漁り火に鰍や浪の下むせび

十六夜はわづかに闇の初め哉

十六夜もまだ更科の郡かな

十六夜や海老煮るほどの宵の闇

漁り火に鰍や浪の下むせび

石山の石より白し秋の風

稲雀茶の木畠や逃げ処

稲妻に悟らぬ人の貴さよ

稲妻や闇の方行く五位の声

稲妻や顔のところが薄の穂

稲妻を手にとる闇の紙燭哉

稲こきの姥もめでたし菊の花

猪の床にも入るやきりぎりす

猪もともに吹かるる野分かな

命こそ芋種よまた今日の月

芋洗ふ女西行ならば歌詠まむ

 芋の葉や月待つ里の焼畑

色付くや豆腐に落ちて薄紅葉

憂きわれを寂しがらせよ秋の寺

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憂きわれを寂しがらせよ閑古鳥

牛部屋に蚊の声暗き残暑哉

馬に寝て残夢月遠し茶のけぶり

榎の実散る椋の羽音や朝嵐

枝ぶりの日ごとに変る芙蓉かな

枝もろし緋唐紙破る秋の風

老の名のありとも知らで四十雀

祖父親孫の栄えや柿蜜柑

起きあがる菊ほのかなり水のあと

荻の声こや秋風の口うつし

荻の穂や頭をつかむ羅生門

送られつ別れつ果ては木曽の秋

御命講や油のような酒五升

俤や姥ひとり泣く月の友

おもしろき秋の朝寝や亭主ぶり

折々は酢になる菊の肴かな

隠れ家や月と菊とに田三反

桟橋や命をからむ蔦葛

桟や先づ思い出づ駒迎へ

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影は天の下照る姫か月の顔

影待や菊の香のする豆腐串

数ならぬ身とな思ひそ玉祭

風色やしどろに植ゑし庭の秋

桂男すまずなりけり雨の月

刈り跡や早稲かたかたの鴫の声

刈りかけし田面の鶴や里の秋

川上とこの川下や月の友

香を残す蘭帳蘭のやどり哉

菊鶏頭切り尽しけり御命講

菊に出でて奈良と難波は宵月夜

菊の香にくらがり登る節句かな

菊の香や奈良には古き仏たち

菊の香や奈良は幾世の男ぶり

菊の香や庭に切れたる履の底

菊の露落ちて拾へば零余子かな

菊の花咲くや石屋の石の間

木曽の橡浮世の人の土産かな

木曽の痩せもまだなほらぬに後の月

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碪打ちてわれに聞かせよ坊が妻

 木の葉散る桜は軽し檜木笠

けふの今宵寝る時もなき月見哉

今日よりや書付消さん笠の露

霧雨の空を芙蓉の天気哉

きりぎりす忘れ音に啼く火燵哉

霧しぐれ富士を見ぬ日ぞおもしろき

桐の木に鶉鳴くなる塀の内

木を切りて本口見るや今日の月

愚案ずるに冥土もかくや秋の暮

草の戸や日暮れてくれし菊の酒

草の戸を知れや穂蓼に唐辛子

葛の葉の面見せけり今朝の霜

九たび起きても月の七ツ哉

熊坂がゆかりやいつの玉祭

国々の八景さらに気比の月

九たび起きても月の七ツ哉

雲をりをり人をやすめる月見かな

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雲霧の暫時百景を尽しけり

蜘蛛何と音をなにと鳴く秋の風

御廟年経て偲ぶは何をしのぶ草

鶏頭や雁の来る時なほ赤し

実にや月間口千金の通り町

声澄みて北斗にひびく砧哉

苔埋む蔦のうつつの念仏哉

こちら向け我もさびしき秋の暮

胡蝶にもならで秋経る菜虫哉

琴箱や古物店の背戸の菊

この秋は何で年寄る雲に鳥

この寺は庭一盃のばせを哉

この松の実生えせし代や神の秋

この道を行く人なしに秋の暮

小萩散れますほの小貝小盃

米くるる友を今宵の月の客

籠り居て木の実草の実拾はばや

今宵誰吉野の月も十六里

今宵の月磨ぎ出せ人見出雲守

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衣着て小貝拾はん種の月

西行の草鞋もかかれ松の露

盃に三つの名を飲む今宵かな

盃の下ゆく菊や朽木盆

盃や山路の菊と是を干す

さぞな星ひじき物には鹿の革

座頭かと人に見られて月見哉

里古りて柿の木持たぬ家もなし

淋しさや釘に掛けたるきりぎりす

寂しさや須磨に勝ちたる浜の秋

猿引は猿の小袖を砧哉

猿を聞く人捨子に秋の風いかに

しほらしき名や小松吹萩すすき

賎の子や稲摺りかけて月を見る

死にもせぬ旅寝の果てよ秋の暮

 柴の戸の月やそのまま阿弥陀坊

白髪抜く枕の下やきりぎりす

白菊の目に立て見る塵もなし

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白菊よ白菊よ恥長髪よ長髪よ

白露もこぼさぬ萩のうねり哉

秋海棠西瓜の色に咲きにけり

錠明けて月さし入れよ浮御堂

白髪抜く枕の下やきりぎりす

新藁の出初めて早き時雨哉

水学も乗り物貸さん天の川

硯かと拾ふやくぼき石の露

僧朝顔幾死に返る法の松

蒼海の浪酒臭し今日の月

その玉や羽黒にかへす法の月

そのままよ月もたのまじ伊吹山

蕎麦はまだ花でもてなす山路かな

蕎麦も見てけなりがらせよ野良の萩

鷹の目も今や暮れぬと鳴く鶉

茸狩やあぶなきことに夕時雨

七夕や秋を定むる夜のはじめ

旅に飽きてけふ幾日やら秋の風

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旅寝して我が句を知れや秋の風

玉祭り今日も焼場の煙哉

手向けけり芋は蓮に似たるとて

たんだすめ住めば都ぞ今日の月

蝶も来て酢を吸ふ菊の鱠哉

塚も動けわが泣く声は秋の風

月いづく鐘は沈める海の底

月影や四門四宗もただ一つ

月清し遊行の持てる砂の上

月さびよ明智が妻の話せむ

月十四日今宵三十九の童部

月代や膝に手を置く宵の宿

月澄むや狐こはがる児の供

月ぞしるべこなたへ入らせ旅の宿

月に名を包みかねてや痘瘡の神

月の鏡小春に見るや目正月

月のみか雨に相撲もなかりけり

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月はやし梢は雨を持ちながら

月見する座にうつくしき顔もなし

月見せよ玉江の芦を刈らぬ先

蝶も来て酢を吸ふ菊の鱠哉

蔦植ゑて竹四五本の嵐かな

蔦の葉は昔めきたる紅葉哉

露とくとく試みに浮世すすがばや

 鶴鳴くやその声に芭蕉破れぬべし

手にとらば消えん涙ぞ熱き秋の霜

寺に寝てまこと顔なる月見かな

冬瓜やたがひに変る顔の形

唐黍や軒端の萩の取りちがえ

尊がる涙や染めて散る紅葉

尊さに皆おしあひぬ御遷宮

蜻蜒や取りつきかねし草の上

中山や越路も月はまた命

詠むるや江戸には稀な山の月

夏かけて名月暑き涼み哉

撫子にかかる涙や楠の露

撫子の暑さ忘るる野菊かな

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七株の萩の千本や星の秋

なに喰うて小家は秋の柳陰

何事の見立てにも似ず三日の月

何ごとも招き果てたる薄哉

なまぐさし小菜葱が上の鮠の腸

波の間や小貝にまじる萩の塵

煮麺の下焚きたつる夜寒哉

庭掃いて出でばや寺に散る柳

濡れて行くや人もをかしき雨の萩

寝たる萩や容顔無礼花の顔

合歓の木の葉越しも厭へ星の影

野ざらしを心に風のしむ身かな

萩原や一夜はやどせ山の犬

橋桁の忍は月の名残り哉

芭蕉葉を柱に懸けん庵の月

蓮池や折らでそのまま玉祭

初秋や海も青田も一みどり

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初秋や畳みながらの蚊屋の夜着

初霜や菊冷え初むる腰の綿

初茸やまだ日数経ぬ秋の露

鳩の声身に入みわたる岩戸哉

蛤のふたみにわかれ行秋ぞ

早く咲け九日も近し菊の花

張抜きの猫も知るなり今朝の秋

ぴいと啼く尻声悲し夜の鹿

粟稗にとぼしくもあらず草の庵

東西あはれさひとつ秋の風

人ごとの口にあるなりした椛

一家に遊女もねたり萩と月

日にかかる雲やしばしの渡り鳥

ひやひやと壁をふまえて昼寝哉

病雁の夜寒に落ちて旅寝哉

ひよろひよろと尚露けしや女郎花

百歳の気色を庭の落葉哉

病雁の夜寒に落ちて旅寝哉

ひれ振りてめじかも寄るや男鹿島

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吹き飛ばす石は浅間の野分かな

藤の実は俳諧にせん花の跡

富士の雪慮生が夢を築かせたり

文月や六日も常の夜には似ず

文ならぬいろはもかきて火中哉

古き名の角鹿や恋し秋の月

鬼灯は実も葉も殻も紅葉哉

升買うて分別替る月見哉

松風や軒をめぐって秋暮れぬ

松茸やかぶれたほどは松の形

松茸や知らぬ木の葉のへばり付く

松なれや霧えいさらえいと引くほどに

町医師や屋敷方より駒迎へ

三井寺の門敲かばや今日の月

見送りのうしろや寂し秋の風

三日月の地はおぼろ也蕎麦の花

見しやその七日は墓の三日の月

三十日月なし千年の杉を抱く嵐

道のべの木槿は馬に食はれけり

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道ほそし相撲取り草の花の露

見所のあれや野分の後の菊

身にしみて大根からし秋の風

蓑虫の音を聞きに来よ草の庵

都出でて神も旅寝の日数哉

見る影やまだ片なりも宵月夜

見るに我も折れるばかりぞ女郎花

見渡せば詠むれば見れば須磨の秋

昔聞け秩父殿さへすまふとり

武蔵野の月の若生えや松島種

武蔵野や一寸ほどな鹿の声

武蔵野やさはるものなき君が傘

むざんやな甲の下のきりぎりす

名月に麓の霧や田の曇り

名月の出ずるや五十一ヶ条

名月の花かと見えて綿畠

名月の見所問はん旅寝せん

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名月はふたつ過ぎても瀬田の月

名月や池をめぐりて夜もすがら

名月や海に向かへば七小町

名月や門にさしくる潮がしら

名月や座に美しき顔もなし

名月や児立ち並ぶ堂の縁

名月や北国日和定めなき

女男鹿や毛に毛が揃うて毛むつかし

物いへば唇寒し秋の風

物書いて扇引き裂く名残かな

門に入れば蘇鉄に蘭のにほひ哉

桃の木のその葉散らすな秋の風

薬欄にいづれの花を草枕

やすやすと出でていざよふ月の雲

痩せながらわりなき菊のつぼみ哉

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山中や菊は手折らぬ湯の匂

行く秋の芥子に迫りて隠れけり

行く秋のなほ頼もしや青蜜柑

行く秋や手をひろげたる栗の毬

行く秋や身に引きまとふ三布蒲団

湯の名残り幾度見るや霧のもと

湯の名残り今宵は肌の寒からん

よき家や雀よろこぶ背戸の秋

義朝の心に似たり秋の風

義仲の寝覚めの山か月悲し

世の中は稲刈るころか草の庵

夜ル竊ニ虫は月下の栗を穿ツ

よるべをいつ一葉に虫の旅寝して

蘭の香や蝶の翅に薫物す

わが宿は四角な影を窓の月

早稲の香や分け入る右は有磯海

綿弓や琵琶に慰む竹の奥

侘びて澄め月侘斎が奈良茶歌

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